素晴らしき茶の世界を求めて、

茶人として、未来を考える

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こんにちは、神崎です。

フィナシャルタイムズ紙で「今後10年で未来に最もインパクトを与えるビジネス理論家」と賞される、

リンダ・グラットン著の『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図』(以下ワーク・シフト)

を読んで未来の生き方について考えてみました。

 

これからの未来

ワーク・シフトによればこれからの未来は、大きく分けて5つの要因によって、大きく変わるとしています。

これからの未来はテクノロジーの進化、グローバル化の進展、人口構成の変化と長寿化。社会の変化、エネルギー環境問題の深刻化の5つの要因の複雑な相乗効果によって、働き方の常識が根底から覆される。
大きく様変わりするのは仕事の常識だけではなく、仕事に対する私たちの意識も変わる。産業革命は、大量消費市場を作り出し、消費や富の獲得に対する強い欲求を生み出した。では、テクノロジーの進化とグローバルの進展は私たちの仕事に対する意識をどう変えるのか。
おそらく、これから社会に出る世代の働き方は、これまでと似ても似つかないものに変わるだろう。すでに仕事についている世代も、今まで想像もしなかったような形態で働くようになる。再生可能エネルギーやインターネットの発展、働き方に対する意識の変化を土台に、まったく新しい産業が誕生する可能性もある。

未来はすべての場所に平等に訪れているわけではなく、それぞれの場所に兆候が見られるとのこと。

たしかに、ここ数年でのテクノロジーの進化は目覚ましく、ドッグイヤーや、マウスイヤーなどと言われています。

犬の成長は、人間よりも早いことから科学技術の発展をドッグイヤーと呼んでいたものの、近年の成長がそれをはるかに上回っているので、犬よりも成長の早いマウスになぞらえてマウスイヤーと呼んでいるのです。

茶人としての未来戦略

茶人という職業から見て、未来を考えてみました。

 

専門性の習得

テクノロジーの進歩によって失われる人間の仕事というのがあります。

銀行の融資担当者、スポーツの審判、不動産ブローカー、レストランの案内係、保険の審査担当者、動物のブリーダー、電話オペレーター、給与・福利厚生担当者、レジ係、娯楽施設の案内係、チケットもぎり係、カジノのディーラー、ネイリスト、クレジットカード申込者の承認・調査を行う作業員、集金人パラリーガル、弁護士助手、ホテルの受付係、電話販売員、仕立屋(手縫い)、時計修理工、税務申告書代行者、図書館員の補助員、データ入力作業員、彫刻師、苦情の処理・調査担当者、薄記、会計、監査の事務員、検査、分類、見本採集、測定を行う作業員、映写技師、カメラ、撮影機材の修理工、金融機関のクレジットアナリスト、メガネ、コンタクトレンズの技術者、殺虫剤の混合、散布の技術者、義歯制作技術者、測量技術者、地図作成技術者、造園・用地管理の作業員、建設機器のオペレーター訪問販売員、路上新聞売り、露店商人塗装工、壁紙張り職人

今後10~20年の間に消える仕事・残る仕事

残る仕事と言われているのは

レクリエーションセラピスト、最前線のメカニック、修理工、緊急事態の管理監督者、メンタルヘルスと薬物利用者サポート、聴覚医療従事者、作業療法士、義肢装具士、ヘルスケアソーシャルワーカー、口腔外科、消防監督者、栄養士、施設管理者、振り付け師、セールスエンジニア(技術営業)、内科医と外科医、指導(教育)コーディネーター、心理学者、警察と探偵、歯科医師、小学校教員

今後10~20年の間に消える仕事・残る仕事

で、無くなるのは創造性がない、事務的な、システマチックな仕事であり、残る仕事は、対人に関して人でなければできない繊細な判断や想像力、創造力が必要な仕事だと考えられます。

 

茶人について考えてみれば、お茶を淹れることに関して言えば、ヘルシオのお茶プレッソがあったり、ペットボトルのお茶が改良されたりして、お茶そのものの産業は縮小傾向にあるでしょう。

しかし、茶人の力は人と人、人と物、物と物をつなぐことにあります。

茶席の趣向を決めることは、一期一会の物語を創ることで、物語を紡ぐ能力です。物語を紡ぐためには膨大な知識や歴史認識、教養などが必要で、それらの所有だけであれば、ロボットでも可能ですが、その時その場に応じた趣向決めはロボットでは難しいのではないでしょうか。ペッパー君にはできてしまうかもしれないという考えが脳裏をよぎりましたが、否定ができない所はありますね。

しかし、茶道は日本の伝統文化と呼ばれていて、継承する価値、必要のある物だとも言えます。茶道は日本の総合芸術として、庭、建築、書画、焼き物、塗り物、織物、料理、菓子、茶、竹細工、木工などに渡っています。宗教的な要素で言えば、禅的思想、キリスト教、陰陽五行、神道なども含んでいます。いわば日本人の生活を大きくまたぐ文化です。人の生活に結び付くものであり、また人の心を豊かにするものと言えます。

人が生きていくためには、衣食住がそろっているだけではなく、心の飢えも満たさなければいけないため、茶道の需要は高まる可能性があることでしょう。

茶道を専門分野にすることは非常に有用です。

セルフマーケティングの必要性

自分で自分を売り込むことが必要であるということです。

セルフマーケティングと言えば、自分をブランディングし、売り込んでいくことで、実績や価値を自分の力で知らしめていくことが大切になっていくことでしょう。

インターネットが個人に開かれた現代、自分でウェブサイトを運用していくことは必須のスキルになるのではないでしょうか。

また、ライティングや、動画撮影編集のスキルも求められてくることでしょう。

経験重視の生き方

レポートや論文などではウィキペディアを参照してはいけないと言われていますが、ウィキペディアも編集している大勢の人のおかげで、詳細かつ文献的に正確な情報も多くあると感じます。

例えば日本茶についての知識を知ろうと思い、日本茶のまとめの本を買って読んでいる時、ふとウィキペディアを見たらほぼ同じことが書いてあったということもあります。ウィキペディアでなくてもネット上に多くの情報は上がっています。

もちろn、すべてがすべてネット上に上がっているというわけではありませんが、電子書籍も増え、家に居ながらにして、情報のみであればたやすく手に入れることが時代になってきています。

二次情報、三次情報が誰でも簡単に入手できる以上、価値があるのは一次情報です。

自分の経験から何を学んだかということです。経験から学んだことが人生を豊かにしてくれます。

 

協力し合う

自分一人の力で生きていこうとしない。

国境や、言語が壁にならなくなる時代、世界中の人とともに仕事をする時代がやってくるでしょう。

互いの専門性を生かして、協力し合う仕事の仕方が重要になります。世界に市場が開くことで24時間稼働することが求められる時代、時間に追われ、孤独に襲われがちになります。人との結びつきを強め、支え合うことが必要となります。

 

孤独を友にする

協力し合うことと一見矛盾しますが、孤独を選択し、自分の時間を自分と向き合うために使って、他者と向き合うこともできるのです。

自分のためだけのスペースで、自分のためだけの時間を使って、自分を拘束するすべての物から解き放たれることが、いつでもつながることのできる世界では必要な時間になります。

自分一人でお茶を淹れる時間は孤独な時間です。しかし何者にも縛られず、おいしいお茶を淹れることだけに意識をしゅうちゅうすることは、瞑想的でもあります。

また、茶道で言えば、掃除をすることも、お点前をすることも、常に自分をフラットな状態に戻してくれます。心を清め、一人の時間を豊かに使うことができます。

 

リアルを大切にする

バーチャルな世界でやり取りをすることが日常的になり、顔を合わせなくともコミュニケーションはおろか、仕事さえも成立してしまう世界になります。

そんな時こそ、リアルコミュニケーションが見直されるのではないでしょうか。

情報だけは津波のように押し寄せる日常で、おいしいものを好きな人と食べる時間だったり、都会の喧騒を離れて自然あふれる山に仲間と登ってみたり、そんな実際の場を五感をフル活用して楽しむことが大切になってきます。

味覚、視覚、嗅覚、聴覚、触覚、人の全ての感覚を、お菓子や料理で味わい、薄暗い空間で重みのある色彩に圧倒され、お茶の香りや、お香の香りが胸をくすぐり、落ち着いて来れば葉のこすれる音や水の流れる音が聞こえ出し、器を手に取り、土のぬくもりを感じる。そんな贅沢な時間が茶室で過ごすことができます。

 

大量消費のライフスタイルから、精神的豊かさのライフスタイルへ

手に入れても手に入れても一時的な充足感でしか満たされず、いつも不足を感じてしまうのが大量消費のライフスタイルです。

禅の言葉に知足という言葉があります。「足るを知る」と読み、今の自分で不足など一つもないことを感じるという意味です。

シンプルな生活は足りないものに目を向けず、ある物の活力を十分に受け取り、美と調和を見出すことが、イライラから逃れる一つの手段になります。

起きて半畳、寝て一畳というように、生活に必要な分だけのスペースで、物理的な空間よりも、精神的なゆとりを大切にしましょう。

最後に

どんなに時代が変わっても、人の本質は変わらないものです。自然とともに生き、協力し合い、美を味わい、愛と調和に生きるのが人間ではないでしょうか。

 

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